東京大学先端科学技術研究センター

エネルギー国際安全保障機構が目指すもの

エネルギー国際安全保障機構は、カーボンニュートラル実現に寄与する先端技術研究、定量評価、国際安全保障研究などを融合させた研究を行う組織です。世界全体で進むエネルギー・トランジションが、エネルギー安定供給、気候変動緩和、国際情勢と地政学に与える影響をリアルタイムかつ定量的に把握し、グリーンエネルギー技術開発のロードマップとリンクさせることにより、カーボンニュートラル実現への最適な道筋を、学術的・中立的な立場から導き出すことを目的としています。この目的のため、以下の3つの部門において、東京大学および先端科学技術研究センターが有するリソースを有機的に活用して、研究を進めてまいります。

  1. 国際イノベーション戦略部門
  2. グリーンエネルギー部門
  3. 創発戦略研究部門


機構長挨拶

エネルギー国際安全保障機構機構長 河野龍興2050年のカーボンニュートラルを実現するために、2030年に再生可能エネルギーの発電容量を世界全体で3倍にするとCOP28 (28回目の「国連気候変動枠組条約締約国会議」)で採択されました。 再生可能エネルギーの適地は偏在しています。太陽光であれば、太陽が強い場所、風力は北極や南極に近い方が向いています。今まで化石燃料資源が中東に一極集中していたのが、再生可能エネルギーに関しては、資源は世界中にその適地があるわけで、エネルギー供給の地図がガラッと変わるわけです。
日本のエネルギーセキュリティの観点から、エネルギーの安定供給をどうするか、ということと、カーボンニュートラルを実現するために一体何が必要なのか、かつ、どういった国際連携ができるのか、を常々考えてきた中で、 この機構を設立することができました。
先端研としてのメリットは、私を含めた技術的にエネルギーを研究している人たち、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点でカーボンニュートラルを俯緻的な観点で議論する人たち、 さらに、池内恵教授(グローバルセキュリティ・宗教分野)を中心に実際の国際戦略や外交戦略と安全保障を研究する人たち、この3つが重なり合って初めて成り立つような部門がこのエネルギ一国際安全保障機構だと思います。
もう1つの特徴は、東京大学の他部局、例えば、未来ビジョン研究センターのグローバル・コモンズ・センターなどと連携しながら、政策の策定と提言をひとつのゴールに定めていきたいと考えています。

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